宇宙から妖怪まで読了

読了本を簡単に書いておきます。 『百億の星と千億の生命』カール・セーガン 地球に住むすべての個人の幸福をどう守っていくべきか、という提言がこめられた本です。巨大数の話から始まり、定量的に物事を理解する、すなわち他の無数の物と区別する数値的な面をとらえることで、その物事を深く理解できるのだと唱えます。その上で地球温暖化などの環境問題から政治や妊娠中絶の話まで、幅広い内容を噛み砕いて解説・考察しています。読むことで自分の視野も広がっていくように感じました。 なかで興味をひかれた本があったのでメモ。 『人はなぜエセ科学に騙されるのか』カール・セーガン 文庫化にあたって単行本の『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』を改題したみたいです。なんだかそのものズバリなタイトルですね。 『赤朽葉家の伝説』桜庭一樹 製鉄業を営む旧家の女性たち三代にわたる物語です。 日本の歩みを背景に、製鉄業と赤朽葉家の栄枯盛衰、万葉、毛鞠、瞳子の人生が語られます。万葉の話が一番面白かった。 ただですね、物語の随所に時代の風俗が羅列されていて、それを流し読みしているうちに、毛鞠や瞳子の話までも流し読みになってしまったことは正直に告白します。 『うそうそ』畠中恵 「しゃばけ」シリーズの第五弾。 若だんなが箱根へ湯治に出かけますが、なんと誘拐されてしまいます。 さすがに道中は徒歩でなく、船と駕籠でした。病弱な御曹司ですもんね。 妖怪たちは相変わらず楽しいし、付喪神のお獅子はか…

続きを読む

『中谷宇吉郎随筆集』

中谷宇吉郎随筆集 中谷宇吉郎は雪と氷の研究をはじめとする、低温科学に業績を残した物理学者です。 雪の研究に関する作品。自伝的な作品。寺田寅彦に関する作品。科学知識の普及と科学的な考え方を語る作品。本書は数ある随筆のなかから、以上の四つをテーマに編集されたものです。 どれも面白いのですけど、恩師の寺田寅彦について語った作品が特によかった。 宇吉郎は東大で研究実験の指導を寅彦に受けることになります。学生は四人。前年に関東大震災があって、狭い実験室に不十分な器具という環境でありながらも、自由な空気で研究に打ちこむ学生の熱意と、寅彦への敬愛が伝わってきます。ビーカーで湯をわかして、紅茶を飲みながら無駄話をした、なんて話も実験室の学生らしい。 四つめのテーマにある、科学知識の普及と科学的な考え方を語るというのは、ある自然現象について如何なる疑問を起し、如何にしてその疑問を学問的の言葉に翻訳し、それをどういう方法で探求していったか、そして現在どういう点までが明らかになり、どういう点が益々不思議となって残っているかということを、筋だけちゃんと説明する。ことであって、自身の作品もこの思想に貫かれおり、それがやがて科学映画の製作へと発展していくのですね。

続きを読む

もっと見る