過去を振り返る

2013/01/0213:04
あけましておめでとうございます。 カテゴリが1年飛んでいるような気がしますが、昨年の読書を振り返ることにしましょう。 メモをめくると山田稔、多和田葉子に惹かれ、安部公房の再読を始めています。 山田稔の「どこにも力みが感ぜられず、読むうちにこちらの力みも揉みしだかれる」と小沼丹の文章を評しているのに触発されて未知谷の『小沼丹全集』を読了。 補巻を入れて全五巻。大寺さんものと随筆が特に好きです。追憶に追憶が重なって、時系列を無視して記憶のなかを漂ったり、庭..

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『歪み真珠』山尾悠子 ほか

2010/11/0716:38
歪み真珠作者: 山尾 悠子出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2010/02/25メディア: 単行本 山尾悠子を読むのはこれで二冊目です。 以前に読んだ『ラピスラズリ』は小説世界を把握するのに時間がかかったけれど、最後におおっ! という情景にたどりつきます。 『歪み真珠は』15の掌篇を集めたもので、その中の「ドロテアの首と銀の皿」は『ラピスラズリ』の冬眠者に連なる話でした。 山尾悠子の作品は、言葉で組み上げた人工の美の世界だなあと思えます。強く吹きつけ..

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バルザックとコッパードを読了

2010/04/1011:02
小説を読む気にならなくて、新書をつまんだり日本の古典の再読などをしていました。少し気分が変わってきたので、短編集をぽつぽつと読んでいます。光文社の古典新訳文庫にはケチをつける人もいるけれど、気軽に手にとれるのはいいと思いますよ。 『グランド・ブルテーシュ奇譚』バルザック バルザックの長編をそのうち読むつもりです。その前に短編に挑戦。四つの短編とエッセイを一つ収録。 いいなあと思うのは表題作と「ファチーノ・カーネ」 「グランド・ブルテーシュ奇譚」は貴族の館で..

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『冬物語』カーレン・ブリクセン

2010/02/1810:43
冬物語作者: カレン ブリクセン出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/01メディア: 単行本 以前に読んだ『運命綺譚』にも通う、人の運命をめぐる物語。 『冬物語』はデンマークを舞台にした話が多いです。 人を殺してしまった少年水夫、普仏戦争を前にドイツで逮捕されたフランスの貴婦人、古のデンマーク王など。彼らが自分が自分であることを受け入れ運命を全うできるかどうか、そんな思想が話の底に共通して流れています。 物語の中に物語が配置され、人の夢とあこ..

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十二国記と佐藤亜紀とモリミーと

2009/09/3011:02
流れに何の関連もないと思いつつ、読んだ作品と作家を無理やり並べてみました。雑感を簡単に書いておきます。 yom yom (ヨムヨム) 2009年 10月号 [雑誌]作者: 出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/09/26メディア: 雑誌 yomyomの12号はもちろん十二国記の新作が目的です。 事前に新潮社のサイトで告知があったので、『華胥の幽夢』収録の「帰山」を読んで気分を盛りあげました。 新作は柳国が舞台でタイトルは「落照の獄」 「帰山」で語られ..

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『どぶどろ』半村良

2009/04/0612:05
どぶどろ (扶桑社文庫―昭和ミステリ秘宝)半村 良扶桑社 2001-12by G-Tools 表題作「どぶどろ」の主人公である平吉の心中を察すると、非常にやるせないです。ラスト近くで平吉がある人に向かって叫ぶ言葉は、平吉の言葉というよりも、ニヒリズムを打ち砕く、神の言葉であるように感じました。 あまり内容を詳しく紹介しないほうがいいかなと思い、いきなり感想を書いてみました。江戸の庶民の暮らしと、その喜び悲しみが胸に沁みます。 人から借りた本なんですけど、「ミス..

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