『とりかへばや、男と女』河合隼雄

2005/05/2621:12
とりかへばや、男と女 河合隼雄はユング派精神分析家の資格をもつ臨床心理学者で、この人なりの物語の読み解き方が面白いのです。本書は男女の境界を超える心の謎にせまっていきますが、ここでは王朝物語の『とりかへばや』に関する部分だけ触れます。 まず国文学のなかで『とりかへばや』の評価が低いことへの本質をついた発言として、中村真一郎の意見を引用しています。 倫理性の欠如を憤慨してもはじまらない。王朝末期の貴族社会では、恋は倫理的な規制を受けるものではなく、むしろ美的規制を..

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『笑いの力』 河合隼雄 養老孟司 筒井康隆

2005/05/0712:38
笑いの力河合 隼雄岩波書店 2005-03by G-Tools 2004年11月に小樽で開かれた「絵本・児童文化研究センター」主催のシンポジウム「笑い」の書籍化です。 お三方の講演と、三林京子を加えたシンポジウムを収録。 以下内容紹介ですが、無駄に長いです。 ■河合隼雄「児童文化のなかの笑い」 生後三ヶ月の赤ちゃんと母親を例にあげて「微笑みは関係をつくるのに役立つ」と述べています。 人間の赤ちゃんが習わずに出来ることは、口元に何かきたら吸い付くこ..

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『源氏物語と日本人』河合隼雄

2004/12/0916:06
源氏物語と日本人―紫マンダラ (講談社プラスアルファ文庫)河合 隼雄講談社 2003-10by G-Tools 臨床心理学者の河合隼雄が、独自の見地から『源氏物語』の全体にわたる構図を明らかにしていきます。 紫式部が自分の内面世界に住む多様で変化に富む女性の群像を見出した。その「世界」を記述するにあたって、彼女自身を中心とするのではなく、一人の男性を中心とするほうが適切に描ける、そう感じて光源氏が生み出された。 しかし男性に依ってその存在のあり方を規程するのではな..

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