『百日紅』杉浦日向子

うーん、よかった。 浮世絵師の葛飾北斎と娘お栄、居候の英泉らを中心に、絵の世界と江戸の風俗を描いた漫画です。 ちょっと違う話をしますけど、やたらとナレーションの多いテレビドラマは観ていて興ざめなのです。せっかく映像なのにどうしてそれで表現しないの? セリフだってあるでしょ? 無声映画の活弁じゃないんだから、説明は最低限にしなさいよ、と思ってしまうのです。 『百日紅』はその対極にあって、一コマ一コマに江戸の空気や人物の心理までが余すところなく描かれています。北斎や英泉はもちろんですが、お栄をはじめとする女性たちへの作者の視線がとても良いと感じました。老婆から少女まで、心の揺れや意気地がかわいくもあり切なくもあるのです。

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