龍馬伝も観てます

NHK大河の『龍馬伝』も観ています。 久々にテレビっ子になった気分。 第3回まできました。ええとこれは毎週敵グループが出現するという解釈でいいですか。 第1回は上士、第2回は農民、第3回はチンピラ博徒。いや、弥太郎? 今のところは続けて観てもいいかなと。 で、主役の福山雅治の声が細いことと、龍馬は強い強いと言われながら、画面では全く強そうではないのが気になります。 剣術に関しては、道場の仲間やチンピラ博徒が「わーっ」と打ちかかるのをぶっとばしただけにしか見えません。物腰がへなっとしていて違和感。 細かいことにこだわるより、全体でドラマの良さを見たいと思いつつ、映像作品だからこそ音声と動きは大事なのではとも。強いというお約束で脳内補完しなければならないのはつらいです。 次週、江戸の道場の場面ではどうなるのでしょう。 これからよくなることに期待。 そういえば新年のドラマ『柳生武芸帖』では、反町隆史と速水もこみちの柳生兄弟の立ち回りが、ベテラン勢を前にしてかすんでしまったのを思い出します。 着物と洋服では姿勢や歩き方も違ってくるはず。 高橋英樹や松平健は、歩くときも殺陣のときも腰がぴたりと決まって、刀を抜くのも流れるような立ち回りも迫力があるのです。経験の違いだから比べるのは酷なんですけどね。 演技と身についた所作に歴然とした差があって、将来このレベルで時代劇なり歴史ドラマなりで立ち回りが出来る俳優で、しかも華のある人って存在するのかと心配になってしまいました。…

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『秘密の花園』ノート 梨木香歩

『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット) (岩波ブックレット NO. 773)作者: 梨木 香歩出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/01/09メディア: 単行本(ソフトカバー) バーネットの『秘密の花園』を読み解くためのテキストです。 『秘密の花園』はインドで親に顧みられることなく育った少女メアリが、両親の死後イギリスの親戚に引き取られ、「秘密の花園」を見つけ再生することで自身の心と身体も再生していくというお話です。 ノートはストーリーの流れに沿いながら、場所が持つ意味や細々とした事物、動植物、端役の役割を考察していきます。 思えばメアリは召使に世話をされるだけで、人とのまともなコミュニケーションがほとんどない状態で育っています。先日『秘密の花園』を読んだときも、そこが一番心に引っかかったのでした。両親が死んで一人残されても、生活環境が変わっても、寂しい悲しいといった感情は湧かないのです。なにかあれば不快になるだけ。 人にほとんど使われていないがらんとした屋敷や、その一族と場所が醸し出す、子供が健康に育たない消極的な悪意のようなものを指摘する部分に、私のさびしー気持ちが反応してしまいました。や、私は別に不幸な生い立ちではないんですが。 一方で甘えることを知らず人を顎で使うようなメアリの性向が、心身の変化に伴って、媚びずに人に率直に物を言う芯の強さになっていくところには「うんうん」とうなずいたりしました。 本の読み方はひとつではないので、テキス…

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今年はどんな本が読めるかな

気がつけばもう三日。元日の午前中までは元気だったのに、そのあと体調が悪くなり寝込みました。どうなってるの私。おせちもほとんど食べられず、本も読めずな正月でした。 『やんごとなき読者』アラン・ベネット そんな弱った身体でも読めた一冊。もしエリザベス女王が読書に夢中になったら、というフィクションです。 本にのめり込むことや、階級社会の頂点に立つ人物から見た読書、そして周囲の反応がシニカルに描かれています。英国作家をもっと知っているとより笑えたかも。 昨年は塩野七生のローマ人を読み、叙事詩や神話にも少し手をつけました。不案内なジャンルでも、読み続けていると、なんとなく見えてくるものがあり、読める範囲も広がってきます。 今年はどんな方向に自分の興味が転がっていくのかが楽しみです。

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『秘密の花園』読んだよ、堀江敏幸買ったよ

『秘密の花園』バーネット 来月、岩波のブックレットで梨木香歩「『秘密の花園』ノート」が出るので読んでみました。 裕福であっても親から顧みられず、わがままに育ったメアリとコリンの境遇は、不幸のどん底で周囲にいびられながらも真直ぐ育つ健気な子供よりも現代的かもしれないと少し思いました。 その一方でイギリスの上流階級で親が子供に無関心というか、あまり関わらないような習慣が一部あったのかしらんと思ったり。 イギリス貴族の大邸宅で生まれ育ち、現在京都にお住まいのベニシア・スタンリー・スミスさんが、「子供の頃、両親に会うのは1日5分だった」と仰っていて驚いたことを思い出します。 ここから先は買った本。 『一階でも二階でもない夜 回送電車Ⅱ』堀江敏幸 単行本で読んでいます。書名のリンクはそのときの感想です。文庫化されたので購入。 『書かれる手』堀江敏幸 出てるのを知りませんでした。上の文庫を検索していて見つけました。即購入。これは未読です。 そういえば『本の音』も未読なんですが、出版社が晶文社です…。どこかで文庫で出したりはしないのでしょうか。 『前巷説百物語 』京極夏彦 こちらも単行本では読書済み。やはりカバーは旧鼠でした。子猫ちゃんがかわいい。解説はなぜか宇江佐真理。依頼されたご本人も少々訝っていた模様。 『お菓子と麦酒』サマセット・モーム 先日ふらりと立ち寄った古本屋で購入。気になっていたのです。 買うと安心、読…

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少しずつ読むディーネセンの物語

本によってはイサク・ディーネセン、カーレン・ブリクセンなどいろいろ名義がありますが同一人物です。念のため。 『アフリカの日々』は良い作品ですが個人的にはあまりピンときませんでした。しかし書名に惹かれて手に取った『運命綺譚』にやられました。続けて読んだ『バベットの晩餐会』で決定的になりました。 聖書や神話がさりげなく配され、現実からはすこし浮遊した、おとぎ話のような雰囲気を漂わせる物語。けれど文章はとても理知的です。高まる緊張のなかにもユーモアがあります。そんなところが私の肌に合います。 芸術は人々を至福の時に導くだけでなく、人の奥底に眠る官能を呼び覚まします。 例えば禁欲的な信仰を持つ人にとってそれは危険なことだったりします。己の中にある何ものかに冷やりとさせられたり、規範を取り払われたりするのが真の芸術と言えるのかも。 真の芸術家の孤独な魂を描く物語でもあります。 もったいないので未読のものは少しずつ読もうかと思っています。しかし絶版が多いのよね…。 原書では『運命綺譚』に「バベットの晩餐会」も収録されているそうです。 あと『運命綺譚』と対になる『Last Tales』を翻訳して出してもらえませんか。 翻訳本の収録作品をメモ。 『運命綺譚』 「水くぐる人」「あらし」「不滅の物語」「指輪」 『バベットの晩餐会』 「バベットの晩餐会」「エーレンガート」 運命綺譚 (ちくま文庫)作者: カーレン ブリクセン出版社/メーカー: 筑摩書房発売…

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観てます坂の上の雲

なんだかんだでNHKドラマ『坂の上の雲』を観ています。 原作を読んでいない私からすれば十分面白いです。 昨日の第4回を見た人の「戦闘は勝利のはずなのに、ドラマでは味方がやられているようにしか見えない」という意見を見かけたけれど、実際の戦場にいる好古や真之視点だと、あんな風に見えるんじゃないかと私は思いました。 それにしても第3回から真之の部下の若いのに死亡フラグがたちまくりで笑ってしまいました。 とりあえず史観云々は脇にどけて、ドラマ自体を楽しみたいなあ。 阿部寛の好古がかっこええ。なぜか真之の軍服姿には全く萌えません。 スピンオフで秋山好古の大阪時代やフランス時代のドラマを作ってくれませんか。面白いエピソードがたくさんあるらしいので。「好古の青春」なんてどうですか。ベタですみません。

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『戦争と平和』トルストイ

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)作者: トルストイ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1972/03メディア: 文庫 一度読んだぐらいでは到底把握できない作品なので、いつか再読するつもりです。通読して頭に浮かんだことを書いておきます。 歴史とは一人の英雄によって作られるものではなく、無数の人々の行動から成り立つものである。 この歴史観を明らかにするために、話の中心となる貴族の家庭から農民や一兵士にいたるまでの大勢の登場人物の行動によって、ナポレオンがロシアに侵入してきた時代を描きます。 トルストイの作品は登場人物がみな生きているのがすごい。 主要な登場人物のピエールを取り上げてみます。貴族の庶子であるピエールは、感じやすく、善徳や人類愛を夢想しながら、意志薄弱ですぐ酒に溺れてしまうような人。自分の内面にばかり没入して周りの人が見えていないし、そんなに清らかなのが良ければ嫁のことを云々する前に、自分が山にこもって滝にでも打たれればいいのに、などと私は思って同調はできないのです。 そんな人でも(すいません)ピエールが感じている精神と肉体と外界との不調和を、私が一瞬体感する場面があって、これだけでも読んで良かったと思いました。 トルストイの作品を読んでいると、作家本人が気になってしょうがないです。 『戦争と平和』を執筆したのは40歳前後ですが、後世に生きる私は、その後のトルストイの作品や生涯を知ることができます。本作でもピエールとアンドレイ公爵にトルストイ自身が投影され…

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