No-image

『秘密の花園』読んだよ、堀江敏幸買ったよ

『秘密の花園』バーネット 来月、岩波のブックレットで梨木香歩「『秘密の花園』ノート」が出るので読んでみました。 裕福であっても親から顧みられず、わがままに育ったメアリとコリンの境遇は、不幸のどん底で周囲にいびられながらも真直ぐ育つ健気な子供よりも現代的かもしれないと少し思いました。 その一方でイギリスの上流階級で親が子供に無関心というか、あまり関わらないような習慣が一部あったのかしらん…

続きを読む

No-image

少しずつ読むディーネセンの物語

本によってはイサク・ディーネセン、カーレン・ブリクセンなどいろいろ名義がありますが同一人物です。念のため。 『アフリカの日々』は良い作品ですが個人的にはあまりピンときませんでした。しかし書名に惹かれて手に取った『運命綺譚』にやられました。続けて読んだ『バベットの晩餐会』で決定的になりました。 聖書や神話がさりげなく配され、現実からはすこし浮遊した、おとぎ話のような雰囲気を漂わせる物語…

続きを読む

No-image

『戦争と平和』トルストイ

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)作者: トルストイ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1972/03メディア: 文庫 一度読んだぐらいでは到底把握できない作品なので、いつか再読するつもりです。通読して頭に浮かんだことを書いておきます。 歴史とは一人の英雄によって作られるものではなく、無数の人々の行動から成り立つものである。 この歴史観を明らかにするために、話の中心となる貴族の家庭…

続きを読む

No-image

『鏡の影』佐藤亜紀

鏡の影 (講談社文庫)作者: 佐藤 亜紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/15メディア: 文庫 全世界を変えるには、ある一点を変えれば十分な筈だ。 そんな考えの虜になったヨハネスは旅に出ます。 ひとつの考えに取り付かれたヨハネスが、メフィストフェレスならぬシュピーゲルグランツと名乗る美少年をお供に、真理を求めて彷徨する珍道中…ですよね、これ。 そんなふうに楽…

続きを読む

No-image

『人魚とビスケット』J・M・スコット

人魚とビスケット (創元推理文庫)作者: J.M. スコット出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2001/02メディア: 文庫 人魚へ。とうとう帰り着いた。連絡を待つ。ビスケットより。 ビスケットから人魚への呼びかけ、それに応答する第三の人物ブルドッグ。 新聞の個人広告欄で始まった奇妙なやりとりには、過去の漂流事件の謎が秘められていた…。 ロマンチックな想像がふくらむタイ…

続きを読む

No-image

保坂和志で頭をもみほぐす

こうやって本のメモを残しておくと、あとで思い出せていいのですが、書くための読書みたいになっていると感じるときもあります。 そんな硬直した頭をもみほぐそうと、保坂和志の『小説の自由』を読んだら余計に頭がもやもやしました。 でもこれは燃料が投下されたもやもやで、思考を続けるもやもやです。 簡単にわかった気分になったり、難癖つけるのではなく、好きで読んでいるのだから、その小説世界に近づきたい…

続きを読む

No-image

『大奥 第五巻』よしながふみ

大奥 第5巻 (ジェッツコミックス)作者: よしなが ふみ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2009/09/29メディア: コミック 綱吉編です。 第四巻で、物憂げな魅力で周囲を惑わす綱吉にわくわくした私でありますが、いい意味で裏切られます。第五巻で見せる、ひとりの生身の人間の顔に泣きたくなりました。 表向きの雰囲気は、世の中が平和になって、元禄文化がはなひらいて、大奥でもギラギ…

続きを読む

No-image

十二国記と佐藤亜紀とモリミーと

流れに何の関連もないと思いつつ、読んだ作品と作家を無理やり並べてみました。雑感を簡単に書いておきます。 yom yom (ヨムヨム) 2009年 10月号 [雑誌]作者: 出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/09/26メディア: 雑誌 yomyomの12号はもちろん十二国記の新作が目的です。 事前に新潮社のサイトで告知があったので、『華胥の幽夢』収録の「帰山」を読んで気分…

続きを読む

No-image

『料理人』ハリー・クレッシング

料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)作者: ハリー・クレッシング出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1972/02メディア: 文庫 田舎町に現れた謎の料理人が町の名士に雇われ、料理の腕と悪魔的な魅力で周囲を惹きつけていくのだが…というお話。 洗練されていて美味しくて、相手の体調まで思いやった料理にころっといくのは万国共通なんでしょうね。ストーリーでは不穏な空気が漂いはじめますが…

続きを読む

No-image

デュラスとサガンで小説三本立て

太平洋の防波堤/愛人 ラマン/悲しみよ こんにちは (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-4)作者: フランソワーズ・サガン出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/03/11メディア: ハードカバー 池澤夏樹個人編集による世界文学全集の一冊。 フランス人女性作家の三つの作品を続けて読んだわけですが、なんだか疲れました。 マルグリット・デュラスが全然進まなかったです。 …

続きを読む

No-image

『RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧』荻原規子

RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧 (カドカワ銀のさじシリーズ)作者: 荻原 規子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/05/29メディア: 単行本 『RDG レッドデータガール はじめてのお使い』の続編です。 私は児童書のタグをつけてますが、カドカワ銀のさじシリーズは「子どもから大人まで楽しめるファンタジー」というコンセプトの…

続きを読む

No-image

『ソラリス』スタニスワフ・レム

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)作者: スタニスワフ レム出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2004/09メディア: 単行本 惑星ソラリスの海から昔の恋人がやってくる…。 読む前にそんなイメージだけが私の頭に刷り込まれていた『ソラリス』。観たことないですけど、映画の宣伝か何かの影響だったのでしょうか。実際は恋愛モノという意識はないまま読了しました。いや、そういう要…

続きを読む

No-image

『シュリーマン旅行記 清国・日本』ハインリッヒ・シュリーマン

シュリーマン旅行記清国・日本 (講談社学術文庫 (1325))作者: H.シュリーマン出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/04メディア: 文庫 トロイア遺跡を発掘する(『古代への情熱』シュリーマン)数年前、シュリーマンは世界をめぐり日本にも立ち寄っています。本書は1865年に清の時代の中国と幕末の日本を訪れた時の旅行記です。 中国では気分を害することが多かったのか、物言…

続きを読む

No-image

『ガラスの仮面(44)』美内すずえ

ガラスの仮面 44 (花とゆめCOMICS)作者: 美内 すずえ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2009/08/26メディア: コミック 半年で続きが出るなんてこれは夢なのかしら(笑) マヤと真澄さまと紫織さんのもちょもちょした関係とか、亜弓さんが一皮むけそうな展開はあるんですけど、話はあんまり進まないですね。 絵も人物の反応も大げさな濃い~ところは健在で、細かいシーンに吹きま…

続きを読む

No-image

チャペックの旅行記からチェコスロヴァキアとスペインを

チェコスロヴァキアめぐり―カレル・チャペック旅行記コレクション (ちくま文庫)作者: カレル チャペック出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/02メディア: 文庫 カレル・チャペックの生まれた地であるチェコのマレー・スヴァトニョヴィツェ周辺の様子、プラハの都市事情、スロヴァキアの風景を描きます。 北欧やスペインと違い、チェコスロヴァキアとなると、私の中にその地に関する教…

続きを読む

No-image

『彼女のいる背表紙』堀江敏幸

彼女のいる背表紙作者: 堀江 敏幸出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2009/06/25メディア: 単行本 彼女とは書物の中の女性たちのことなんですね。 やっぱりこの人の言葉の選び方は好きだな。 過去に出会った背表紙のむこう側にいる女性たちを再訪する。そんな趣のエッセイです。 同じ本でも読む時期によって感じ方も様々です。自身が年齢を重ねることで見えてくるものもありま…

続きを読む

No-image

『イトウの恋』中島京子

イトウの恋 (講談社文庫)作者: 中島 京子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/03/14メディア: 文庫 伊藤つながりで手に取りました。 イザベラ・バードの著作に想を得た小説です。 横浜の中学校で郷土部の顧問をつとめる男性教師と、伊藤の子孫と目される女性が伊藤の手記の続きを探すうちに、互いに惹かれていく…という話。 『イザベラ・バードの日本紀行』からは、伊藤青年は…

続きを読む

No-image

『イザベラ・バードの日本紀行』イザベラ・バード

1878年(明治11年)の日本を旅したイギリス人女性による旅行記です。 平凡社から出ている『日本奥地紀行』は、東北と北海道の旅を収録した普及版の翻訳。 講談社の『イザベラ・バードの日本紀行』は原典初版本の翻訳で、関西の旅も収録されています。 東北と北海道の旅は、従者と通訳を兼ねる伊藤と二人で東京から日光を経て新潟へ、東北の山間部を通過しながら青森、北海道へと渡ります。 蚊と蚤に悩…

続きを読む

No-image

『ローマ人の物語 ローマ世界の終焉』塩野七生

ローマ人の物語〈15〉ローマ世界の終焉作者: 塩野 七生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/12メディア: 単行本 ついに最終巻です。単行本の15巻。 そうか。ローマ帝国の滅亡ではなく、ローマ世界の終焉なのですね。 敗者をも同化し、国内の安全を保障することで繁栄したローマ帝国でありますが、統治者がこの責務を果たせなくなって衰えていきます。 蛮族の流入が激しか…

続きを読む

No-image

『千島紀行』ステン・ベルクマン

千島紀行 (朝日文庫)作者: ステン ベルクマン出版社/メーカー: 朝日新聞発売日: 1992/08メディア: 文庫 スウェーデンの動物学者で探検家のステン・ベルクマンによる、千島列島の探検記です。 1929~1930年にかけての一冬二夏を、根室半島からカムチャツカ半島の間にちらばる島々で過ごします。 千島列島は北方領土も含めて、日本とロシアの間で領有権問題がありますが、実…

続きを読む