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『宇宙のランデヴー』アーサー・C・クラーク

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))アーサー・C・クラーク早川書房 1985-09by G-Tools 大隕石から地球を守るために、小惑星の軌道を監視していたスペースガードは、2130年に大きな物体を探知します。それは直径20km、長さ50kmはあろうかという円筒形の物体でした。突如あらわれた人工物「ラーマ」に腰を抜かした人類は、調査船を派遣し内部に侵入する…という話です。 …

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『大奥 第三巻』よしながふみ

大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)よしなが ふみ白泉社 2007-12-20by G-Tools もう発売してるんだ…! 風味絶佳な日々―読書日記―さんの記事を読んで、早速本屋に走りました。 三巻も面白い。失速しませんね。 家光と有功(お万)の間には子ができず、春日局は家光に世継ぎを産ませるべく、家光の閨から有功を遠ざけ、別な男を送りこみます。家光と有功のふたりは苦悩しながらも…

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『バルタザールの遍歴』佐藤亜紀

バルタザールの遍歴 (文春文庫)佐藤 亜紀文藝春秋 2001-06by G-Tools あらー、面白かったです。もっとお耽美な小説かと誤解してました。 ひとつの肉体を共有する双子、メルヒオールとバルタザールの物語です。大戦間近のヨーロッパで、ウィーンの没落しつつある貴族の跡取りとして生まれた彼らが、自らの放蕩と叔母の策略、その他もろもろの理由から、大変な勢いで落ちぶれていきます。 女…

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『宝島』R・L・スティーブンソン

宝島 (福音館文庫)ロバート L スティーブンソン福音館書店 2002-06-14by G-Tools 先日読んだ『灯台守の話』に、スティーヴンソンがちょい役で出てきます。彼の祖父や父は灯台建築技師で、『灯台守の話』の灯台もスティーヴンソンの一族が建てたという設定でした。主人公はシルバー、盲目の灯台守はピューという名前なのですが、訳者の岸本さんの解説で、『宝島』にはシルバーやピューという名前…

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『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)米澤 穂信東京創元社 2006-04-11by G-Tools 小市民シリーズ第二弾、『春期限定いちごタルト事件』の続編ですね。 高校二年生になった小佐内さんと小鳩くんの、夏休みの事件です。 <小佐内スイーツセレクション・夏>計画の、これでもかという甘味の波状攻撃には参りました。ああもう、ケーキ食べたい。まちのお菓子屋さんの中から、小佐内さん…

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『灯台守の話』ジャネット・ウィンターソン

灯台守の話岸本 佐知子 白水社 2007-11by G-Tools 十歳の少女シルバーは、たった一人の肉親である母親を失い、灯台守の老人ピューに引き取られます。灯台守の仕事は灯を入れて光の世話をすること、そして物語ること。百年あまり前に、このスコットランド最果ての地に生きた牧師ダークの物語を聞くシルバー。やがて灯台は無人化され、シルバーは自身と世界を繋ぐものを求めて旅に出る…という話です。 …

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『記憶の書』ジェフリー・フォード

記憶の書ジェフリー・フォード 金原 瑞人 谷垣 暁美 国書刊行会 2007-01by G-Tools 『白い果実』の続編です。三部作の第二部になるのかな。 主人公は第一部と同じくクレイ。現在クレイたちが暮らすウィナウの地に、独裁者ビロウが爆弾鳥を送り込み、住民に眠り病が蔓延します。特効薬を求めて旅立ったクレイは、ビロウの記憶の宮殿に潜入し手がかりを探すのですが…という話。 『白い果実…

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『打ちのめされるようなすごい本』米原万里

打ちのめされるようなすごい本米原 万里文藝春秋 2006-10by G-Tools 週刊文春連載の「私の読書日記」と、あちこちに掲載された書評を集めた二部構成の本です。 食べるのと歩くのと読むのは、かなり早い。 とおっしゃる米原氏は、書評も切り込み隊長的な勢いがあります。褒めるときも全力です。彼女の文章を読んでいると、食べるのも読むのも遅くて風呂も長い私も、馬力がでるような気がしてく…

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『地下室の手記』ドストエフスキー

地下室の手記(光文社古典新訳文庫)安岡 治子 光文社 2007-05-10by G-Tools 腹を抱えて笑いました。 四十歳の元役人の男が、その自意識の過剰さゆえに周囲との関係を絶ってひきこもる話です。 Ⅰでは自身の現在の境遇と見解を述べています。が、これが抽象的で全然わからん。ひきこもっている地下室から、外の世界への呪詛と言い訳を延々と垂れ流しているのだけは理解しました。 で、…

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『木』幸田文

木 (新潮文庫)幸田 文新潮社 1995-11by G-Tools 幸田文が樹木に逢い、見つめて、生に対する思いを深くするエッセイです。 こんな木があるよと聞けば、ぜひ見なければと無理を言っても駆けつける。せっかちで貪欲なまでの姿勢は、年齢のこともありチャンスは逃さずというところからくるのだけれど、力強くて正直で、かえって気持ちがいいです。 えぞ松の倒木更新や、山野ですっくと立つ檜に…

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『青年のための読書クラブ』桜庭一樹

青年のための読書クラブ桜庭 一樹新潮社 2007-06by G-Tools ミッション系のお嬢様学校、聖マリアナ学園。異形の者が集う読書クラブには、暗黒のクラブ誌がありました。代々の部員によって記録された、学園の正史に残ることのない珍事件の数々とは…。 装丁と内容と文体がぴたりと合って、乙女の秘めた胸のうちと、その不完全さが示す可能性が凝縮され、小さな世界が出来上がっています。 また…

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『白い果実』ジェフリー・フォード

白い果実Jeffrey Ford 山尾 悠子 金原 瑞人 国書刊行会 2004-08by G-Tools 「これが監獄なのか?」  すると伍長はどういう訳か、ホテルの建物でなく自分の頭を指さした。「これが監獄だ」 重油のなかを泳ぐみたいに読むのが大変な本かな、なんて勝手に想像していたら、なんのなんの、すらすら読めて面白かったです。 独裁者ビロウがつくった理想形態市では、統治のために…

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『死者を起こせ』フレッド・ヴァルガス

死者を起こせ (創元推理文庫)Fred Vargas 藤田 真利子 東京創元社 2002-06by G-Tools おフランスのミステリー。 失業してお金がない三人の歴史学者、専門が中世のマルク、先史時代のマティアス、第一次大戦のリュシアンは、ボロ館を格安で借りて引っ越してきます。隣には元オペラ歌手の女性が住んでいて、ある日彼らに頼みごとをするのです。庭に突然見知らぬ木が植えられており、気…

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『訪問者』萩尾望都

訪問者 (小学館文庫)萩尾 望都 小学館 1995-08by G-Tools 表題作の『訪問者』は、『トーマの心臓』に登場するオスカー・ライザーがギムナジウムに入る前の話です。 もうね、唸るぐらいよかったですよ。読んでる時期が違うので一概には言えないけれど、本編よりこちらのほうが好きかもしれません。 両親の破局があって母が死に、父グスタフとオスカーが放浪しますが、やがてその生活も破綻…

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『百鬼夜行抄 (16)』今市子

百鬼夜行抄16 [眠れぬ夜の奇妙な話コミックス] (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)今 市子朝日新聞出版 2007-11-07by G-Tools 相変わらずというか、懲りないというか、積極的に怪異にかかわる開さんが暴走してます。「闇の領域に手を出すな」という蝸牛との対立姿勢は変わらないんですね。でも手痛いしっぺ返しも受けたりして、親父さんのスタンスも受け入れられる日がくる…のでしょうかね、い…

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『家のロマンス』加藤幸子

家のロマンス加藤 幸子新潮社 2006-11-29by G-Tools 五百坪余りの庭がついた大正建築の館で繰り広げられる、家族の歴史の物語です。 七人の子を産んだ祖母のミヤは、この家を世界の中心と定めて暮らしてきました。大正の終りから関東大震災、昭和、戦争、敗戦と事件を経ても、家がある限りそれは変わらなかったのです。いまわの際にあるミヤの回想は、母や夫、子供たちとその家族、さらに自身…

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『暗いところで待ち合わせ』乙一

暗いところで待ち合わせ (幻冬舎文庫)乙一幻冬舎 2002-04by G-Tools 事故で視力をなくしたミチルは、古い家に一人で暮らしています。家の裏手には駅があります。ある日そこで殺人事件が起きて、容疑者となった男がミチルの家に入り込む…という話。 ミステリー色もあるけど、不器用で寂しいミチルとアキヒロが、互いに距離を測りながら近づいていく過程が読みどころです。話が話だけにホラーに…

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『源氏物語を読むために』西郷信綱

源氏物語を読むために (平凡社ライブラリー)西郷 信綱平凡社 2005-04by G-Tools もっとお堅い本かと思ったら、意外に読みやすかったです。でもこの本は源氏物語を読んだことがあって、内容をある程度把握している人向けですね。 そもそも源氏物語は、紫式部が宮廷とその周辺にいる女性読者に向かって書いたものです。貴族の子女が「きゃー」とか「わー」とか思いながら読んだのでしょうね。だ…

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『人が見たら蛙に化れ』村田喜代子

人が見たら蛙に化れ (朝日文庫)村田 喜代子朝日新聞社 2004-09-17by G-Tools 店師にハタ師に掘り師。骨董にかかわる男女の悲喜こもごもを描いた話です。 店師は文字通り店舗のある骨董業者、ハタ師は店舗なしの業者です。ここに出てくる飛田夫妻は、各地の旧家をまわって初荷の買い出しを主に行っています。そして掘り師は古い窯跡を掘って焼き物を手に入れる…つまり盗掘を行う人なのです…

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『アイロンと朝の詩人 回送電車Ⅲ』堀江敏幸

アイロンと朝の詩人―回送電車3堀江 敏幸中央公論新社 2007-09by G-Tools エッセイや書評など短い文をあつめた散文集の第三弾です。 次の行動に移るために待機する場所、という切り口で二つの異なる場面を融合させる「ネクストバッターズサークル」とか、モーニングセットの注文から広がるシュールな妄想話「スポーツマンの猫」なんかは、エッセイとも小説ともつかない、いつもの感じで楽しめま…

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