『おちくぼ姫』田辺聖子

おちくぼ姫

源中納言には姫が四人いて、他に腹違いの姫が一人、後ろ盾をなくしてお邸に引き取られている。
継母にあたる北の方はこの姫を自分の姫たちとは差別して扱った。床が一段低く落ち窪んだ部屋をあてがい、粗末な身なりで召使いのように縫い物ばかりをさせ、「おちくぼ」と呼んでいた。

作者も正確な成立年代も不明ですが、平安期に書かれたと思われる「落窪物語」を、田辺流に現代語訳したものです。
平安貴族の暮らしぶりや習慣の解説も文中に盛り込まれていて、小中学生にも読みやすい本だと思います。

内容を簡単に言うと、継母のひどい仕打ちに耐える孤独な姫の前に、すてきな公達が現れて結ばれる、という王朝版シンデレラ物語です。
姫と貴公子よりも、おちくぼ姫の乳姉妹で女房の阿漕(あこぎ)と、その夫の惟成(これなり)の活躍する姿が生き生きしていて良いですね。
特に阿漕が、姫のために機転をきかせて様々な支度を調えたり、ピンチを切り抜けるのが健気。

面白く読んでもらうために、原典の半分ほどで話を完結させ、人物やエピソードの一部を少し変えてあるそうなので、そのうちに完全な訳の本を読んでみようかと思っています。


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