![]() | 河岸忘日抄 堀江 敏幸 新潮社 2005-02-26 by G-Tools |
ひたすら前に突き進むことや、処世術というものから最も遠いところにいる「彼」は、フランスの河岸に係留された船を仮の住まいとし、本を読み、レコードを聴く毎日を送っています。
周囲との関係の中での自分のポジションに疑問を持ち、流れていく河の動かない船でたゆたいながら、逡巡することの意味を探る彼。
大家の老人を見舞い、時おり来る郵便配達夫とデッキでコーヒーを飲み、日本の友人とファクスで連絡をとる。隠遁生活のようでいて、その実他者とのコミュニケーションはゆったりとしながらもあるわけです。そんな日々の中での彼の思索と移りゆく感情が丁寧に描写され、日常は続いてゆきます。
私自身マイペースで、周囲に合わせるために流行を追ったり、過程を無視して合理性や数値だけを追い求めることには疲れてしまう人間です。なので彼には少しばかり親近感をいだいてしまいました。
本に登場するマルメロのジャムのせいではありませんが、読みながらなんとなく映画『マルメロの陽光』を思い出していました。
画家がマルメロの木を描くだけなのに、とても豊かなのです。

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堀江敏幸さんの作品は好きでいつも読んでます。
この本のような生活ができたらいいなと思いながら(笑)
最近、この中に出てきた『k』をやっとみつけたので読んでみようと思ってます。
はじめまして。
エントリーを拝見しました。こちらからもTBさせていただきます。
もう、本当にこの本のような生活がしたいですよね。(笑)
堀江敏幸さんの作品は私も大好きで、繰り返し読みたくなります。
「すみずみまで味わうには、まだまだ人生経験が足りないわ」と思いつつ、未読の作品も読んでいくつもりです。
『k』を手にいれられたのですね。
堀江さんの作品中には沢山の本が出てきて、それに触れるのも、一つの楽しみかもしれないですね。