『青年のための読書クラブ』桜庭一樹

4103049510青年のための読書クラブ
桜庭 一樹
新潮社 2007-06

by G-Tools

ミッション系のお嬢様学校、聖マリアナ学園。異形の者が集う読書クラブには、暗黒のクラブ誌がありました。代々の部員によって記録された、学園の正史に残ることのない珍事件の数々とは…。

装丁と内容と文体がぴたりと合って、乙女の秘めた胸のうちと、その不完全さが示す可能性が凝縮され、小さな世界が出来上がっています。
また、クラブ誌を通して描かれるのは、学園の百年にわたる年代記でもあります。五つの事件のなかでは、第二章の聖女マリアナ消失事件がぴかいち。創立者である修道女マリアナのフランス時代に遡るお話です。これですね、設定がベタベタなんですが、不覚にも泣きそうになりました。作者の狙ったところに、胸に的を貼り付けて飛び込んでしまいました。撃たれました。

くるくる回るような語りのなかに存在する乙女たちは、勇ましく、ちょっと哀しく、またふてぶてしくもあり、読みながらにやにやしてしまうのでありました。


この記事へのコメント

  • sumi

    読みました~。面白かった!
    それにしても、新潮装丁室は相変わらず「良い仕事」ですね。
    表記がないからイラストも込みなんでしょうし。
    2007年12月24日 17:52
  • nao

    >sumiさん
    装丁いいですよね。
    あとブサイクを描いても、ちゃんと愛を感じます。
    2007年12月25日 09:55

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