チャングムの誓い 第50話

第50話「波紋」

チャングムが王の主治医になることへの周囲の反応は、身分制度や当時の社会通念としての男女の秩序、男性が主流で女性は周縁という、ジェンダーの問題が強調されてます。現代でもそういう風潮はありますけど、それを男女の問題だけに落とし込むのではなく、その人の属性によって生き方が制限されてしまわない、つまり社会的な抑圧を受けることがない世の中を作っていくことが肝要かなと思います。ミン・ジョンホの思想にも近い。ただねー、ドラマの場合チャングムが積極的に地位を望んでギラギラしているわけではないんですよね。そこが当人には苦しいところです。

チャングムとチョンホ様は手に手を取って愛の逃避行。しかし川を渡るのにチャングムをおんぶするような「うふふ」「あはは」という道行きは長くは続きません。チョンホの辞表提出を知った上司(左賛成だった人)が、この件が政争に利用されるのを恐れ、連れ戻しにかかるのです。
一方チャングムを王の主治医にという話はあっという間に広がります。宮中の反発は強く、様々な思惑が交錯。皇太后と皇后はもちろん反対。中宗がチャングムを指名したのは、皇后から切り離す目的もありますけどね。
ネイウォンの面目は丸潰れ。エライ人たちは王族の一存で物事が決められていくことに危機感を募らせます。

愛の逃避行組は追っ手に発見され、上司自ら出張って都に戻るよう説得。チャングムには主治医の辞退、チョンホには事の収拾を命じます。
帰りの船でチョンホはチャングムに王の命令を受けるよう話すのです。二人が戻ることを決める場面で、幼少期のチャングムの探究心の話が出たのも関係あるな。優れた人材が相応しい地位につく。そういうチョンホの思想を実現していく資質がチャングムにはあるのです。
暗い顔で家に戻ったチャングムは、チャンドクにも主治医になるよう説得されます。医女の地位は低く、どんなに努力しても男と同じようには認められないのだ、女でも医術の道で自分の目指すことをやり遂げられることを示すのだ、そのためにたった一日でもいいから命をかけておやりと。

エライ人たちは「国の根幹が揺らぐ」などと中宗を諌めますが、キレた中宗からは本音が飛び出します。
「医女チャングムなら、左大臣の勢力にも右大臣の勢力にも、どちらにも傾くことなく、余の命を守ってくれるだろうと信ずる」
結局チャングムは王の主治医になることを承諾し、更に波紋が広がります。

チョンホはチャングムの発言を撤回させよと責められます。ここで若い学者だか儒学生だかも、医女が王の主治医になること受け入れられないと騒ぐでしょう。「チャングムによって身分が回復されたのに、君たちは柔軟性も無いし志も低いよ、ええ?」と私はテレビの前でイチャモンをつけました。

ネイウォンではイクピルが辞表を提出。
「患者が信頼しない医者は医者ではない。(中略)お前に悪気はなかっただろうが、私は全てを失った」
うーん、イクピルは恥辱に耐えられなかった、というところですか。医者としてのあり方をさんざん垂れてたのになあ。
ウンベクや医女たち(シンビ以外)の支持も得られないチャングムです。シンビだけはチャンドクと同じ意見なのだね。
ウンビはチャングムが目立つことに嫉妬して「どうして周りの雰囲気に合わせられないの!」と空気よめよめ攻撃です。シンビに逆襲されるわけですが、日本もこういう同調圧力はありますね。

中宗とチャングムが会っていたことが皇太后の耳に入り、間を取り持ったヨンセンは皇太后に激しく詰られ、産気づいてしまいます。まだ八ヶ月。風熱のため難産で、何度も意識を失いながらも、チャングムたちが手を尽くし女児を出産。しかし直後に心停止。その後チャングムの蘇生処置で息を吹き返します。これがチャングムには応えました。チョンホに辞退したいと漏らすのです。自分の志より、大切な人の命のほうが大事なのですよ。

で、チャングムは王に謁見し辞退を申し出ます。
そこへネシブの長官が乱入。キョンウオン王子が倒れたらしい…ということでまた次回です。

話が極端になってきてますねえ。
今回はチボクの格言に座布団を一枚贈りたいです。
「患者から深い信頼を得て、その病を治してこそ優れた医務官といえます」
イクピルを激しく刺激してしまったので、罪作りともいえますが。


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