『合葬』杉浦向日子

4480021922合葬 (ちくま文庫)
杉浦 日向子
筑摩書房 1987-12

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私は幕末から明治にかけての動きにあまり詳しくありません。明治維新という勇ましい響きや、現代でドラマティックにさわやかに描かれる幕末のあれこれに、抵抗とまではいかないけれど、なにかひっかかりがあって、積極的に知ることをしなかったのです。
維新という言葉に、過去を全て否定するような響きを感じ取ってしまうのかもしれません。

で、この漫画は、旧幕臣らで結成された彰義隊と新政府軍との戦いである上野戦争を背景にしています。しかし描かれるのは英雄でもロマンでもなく、彰義隊にかかわった若い人たちです。彼らの立場や心情が美化されすぎず、うそなく表現されているのがよかった。
最後のコマに「かくて江戸は過ぎ、遠のいて行く」とあるのですが、こういう受けとめかたのほうがしっくりときます。


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