バルザックとコッパードを読了

小説を読む気にならなくて、新書をつまんだり日本の古典の再読などをしていました。少し気分が変わってきたので、短編集をぽつぽつと読んでいます。光文社の古典新訳文庫にはケチをつける人もいるけれど、気軽に手にとれるのはいいと思いますよ。


グランド・ブルテーシュ奇譚 (光文社古典新訳文庫)
『グランド・ブルテーシュ奇譚』バルザック
バルザックの長編をそのうち読むつもりです。その前に短編に挑戦。四つの短編とエッセイを一つ収録。
いいなあと思うのは表題作と「ファチーノ・カーネ」
「グランド・ブルテーシュ奇譚」は貴族の館で起きたある事件の話。ゴシック小説のような雰囲気があります。
「ファチーノ・カーネ」は盲目の老楽士の告白。黄金への欲望と憂愁に閉ざされた半生が語られ、幻想に迷いこみます。

余談ですが、うつらうつらしながら眺めていた年譜に、浮き名を流したご夫人がたの名前がずらっと出てきて、一気に目が覚めました。


天来の美酒/消えちゃった (光文社古典新訳文庫)
『天来の美酒/消えちゃった』コッパード
この人の短編はどこへ向かうのか読めないです。「消えちゃった」と「レイヴン牧師」の幕切れには、え? となります。
本全体の印象は、登場人物がやっている事や会話はどこか抜けたようなおかしみがあり、悲劇性を備え、場面描写はえらくリリカル。「去りし王国の姫君」と「天国の鐘を鳴らせ」は詩情が溢れんばかりです。
どちかというと「好き」に傾く作家。日本人は「泣ける」とか叙情的なのが好きだよね、なんて上から目線で言いながら、私も実のところリリカルなのに弱いことが判明しました。

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