『高慢と偏見』ジェイン・オースティン

田舎の地主の次女エリザベスと、家柄も財産も容姿も申し分ないダーシー氏が、誤解や格の違いに基づく偏見のためにいろいろありながらも結ばれるという恋愛小説です。

お堅いタイトルだし恋愛小説だし、と今まで読まなくて損した気分です。

財産があって働かなくても食べていけるジェントリー階級でも、さらに格差があります。
あちらの家が上だの、そちらの家が下だのと人が判断する基準を事細かに描いているのがとりわけ面白かったです。
年収がいくら、身分の低い親戚がいる、そして家族や友人など個人の振る舞いのひとつひとつが、エリザベスとダーシー氏の関係に深く影響を及ぼします。

娘たちをいい家に嫁がせるのに血道を上げる母親のベネット夫人もすごいけれど、父親のベネット氏の強烈な皮肉が一番好きです。
くどくどしいコリンズ氏の手紙に対して、筆不精なベネットパパの手紙は、簡潔かつ皮肉を込めた言葉で核心をついていて笑えます。
「高慢と追従と、尊大と卑下が混ざりあった奇妙奇天烈な人間」と描写されているコリンズ氏と、ベネット氏の往復書簡集があったら読みたいと思ってしまいました。

そういえば上巻ラストのダーシー氏の手紙の場面は、非常に盛り上がりますね。そして下巻に続く…! なんてところがニクいです。

高慢と偏見 上   ちくま文庫 お 42-1

高慢と偏見 上 ちくま文庫 お 42-1

  • 作者: ジェイン オースティン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫




高慢と偏見 下   ちくま文庫 お 42-2

高慢と偏見 下 ちくま文庫 お 42-2

  • 作者: ジェイン オースティン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫



この記事へのコメント

  • 樽井

     こんばんは。
     ずいぶんとご無沙汰しています。
     最近、この作品を使って継ぎ足した小説の「高慢と偏見とゾンビ」を読んだところでした。結構これがバカバカしくて面白かったし、こういう古典作品を使って新しい作品を出せるバカバカしさが外国は楽しいなと思いました。
    2010年04月15日 17:41
  • nao

    >樽井さん
    こちらこそご無沙汰しています。
    ブログもあまり更新しないうちに、時間だけが経ってしまいました。

    「高慢と偏見とゾンビ」、話題になっていましたね。私もバカバカしいのは好きなので、チェックしてみます。
    こういうのを書いて読んで笑えるのっていいですね。
    2010年04月16日 10:06
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