カニグズバーグを二冊

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))
『クローディアの秘密』E.L.カニグズバーグ

日常生活にあきあきしたクローディアは家出を決行。小金持ちの弟を誘い、落ち着いた先はメトロポリタン美術館です。そこで二人は、とある美術品の謎を解こうとするのですが…。

お金のこと以外は慎重で計画的なクローディアと、大胆だけれど締まり屋の弟ジェイミー。都会っ子の家出生活がいいです。美術館に勝手にお泊りなんて楽しいなあ。一人だと肝試しみたいで怖いけれど、二人だとスリルになります。
魅力のある場所と謎、加えて思春期に入るクローディアの心の動きが盛り込まれていて、なかなか読ませます。


ジョコンダ夫人の肖像
『ジョコンダ夫人の肖像』E.L.カニグズバーグ

これ上手いなー。史実を背景に実在の人物を配置し、隙間をフィクションで埋めて、レオナルド・ダ・ヴィンチと一枚の肖像画にまつわる話を創造しています。

偉大な芸術家レオナルド。レオナルドに拾われた、こそ泥の美少年サライ。そして器量がよくないことに引け目を感じながらも、知性のあるミラノ公妃ベアトリチェ。
彼らはそれぞれに人や物に対して、本質的なところを見抜く眼をもっています。
この三人の関係と心理が、一枚の肖像画に見事に繋がっています。

二冊読んで思ったのは、クローディアとジェイミーはドライだし、サライはけっこうシビアに人を見ているんだけれど、むぎゅっと抱きしめたくなるような可愛さも滲んできます。でも妙な甘さは無くてよいです。


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