2009年01月08日

『イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ』トルストイ

4334751091イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫)
望月 哲男
光文社 2006-10-12

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『イワン・イリイチの死』
一人の判事が死んでいく話です。
人は誰だっていつかは死ぬ。自分は病気になり死に近づいている。そんな風にわかったつもりではいても、本当のところで自分が死ぬということが納得できない、という主人公の葛藤が克明に描かれています。
主人公の恐怖や絶望はもちろんありますが、何が悲しいってあなた、自分の肉体的精神的な苦しみが、周りの人間に理解されないと感じてしまうことですよ。元気なときの主人公は毎日を快適に過ごすために、仕事でも家庭のことでも、他者とのかかわりにおいて踏み込んで考えるのを避けてきました。それがいざ自身が重大な局面を迎えたときに、その構図が反転するわけです。
弱ったイワン・イリイチが何よりも心から願うことに、胸を衝かれます。

『クロイツェル・ソナタ』
嫉妬から妻を刺し殺した男の告白です。
性欲を極端に否定する、男のねじれた思想の開陳に絶句しそうになります。幸せな結婚生活への幻想が破れて、はなはだしく偏った考えを突き詰めるうちに、ずいぶん遠くまで来てしまったなあという感じです。
それにしても『アンナ・カレーニナ』にもありましたが、結婚前に、自分の過去の女性関係を記した日記を相手に見せるのはやめましょう。んなもん知りたくないです。
タグ:翻訳
posted by nao at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 本_2009年 | 更新情報をチェックする
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