『アンナ・カレーニナ(3)』トルストイ

4334751636アンナ・カレーニナ〈3〉 (光文社古典新訳文庫)
望月 哲男
光文社 2008-09-09

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『アンナ・カレーニナ(1)(2)』からの続きです。
以下、ある程度内容に触れます。
二つの恋愛の行方をかいつまんで書くと、キティとリョーヴィンはいろいろありましたが、めでたく結婚します。
アンナはカレーニンとは離婚をせぬまま家を出て、ヴロンスキーとともに暮らすようになります。

結婚生活を破綻させず、不貞を働くことを表ざたにしなければ、社交界での恋愛はむしろ粋である、というような暗黙の了解があります。ところがその恋愛コードを外れると、風当たりが強くなるのです。
アンナは社交界から締め出されたも同然の立場でありながら、攻撃的な気持ちになったのか、やけっぱちなのか、着飾って劇場に出かけ、そこで辱めを受けます。
もうひとり、リョーヴィンは普段から領地の農村で暮らし、都会の社交界は嘘くさく感じて苦手なのです。狭量ではあるけれど、自分の気持ちや価値観を信じるタイプです。
で、自分の屋敷で、若い貴族の男がキティにちょっかいをかけるのに腹を立てて、男を追い出します。男にとっては社交界の流儀に則った恋愛遊戯をしかけただけで、リョーヴィンの行動のほうが無礼だとして周りから非難されてしまうのです。

社交界って本当に恐ろしいわ。^^;

幸せそうに見えて、焦燥感でいっぱいのアンナ。夫のもとへ置いてきた息子への愛情や、ヴロンスキーの愛がいつか冷めるのではないかとおののき、心は乱れます。
アンナと同じぐらいクローズアップされるのがリョーヴィンです。結婚式では異様に舞い上がり、貴族団の選挙では政治オンチなのが丸わかりの、そんな彼の変人ぶりに泣き笑いできる3巻でした。


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