2008年11月13日

『カエアンの聖衣』バリントン・J・ベイリー

415010512Xカエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)
冬川 亘
早川書房 1983-01

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衣服こそがその人の意識を表す。そんな哲学をもつカエアン文明を調査するため、敵対関係にあるジアードの文化人類学者アマラたちは宇宙を駆け巡ります。一方、カエアンの難破船から積荷を奪ったジアードの男が手に入れた一着のスーツとは…。

はっはっは。ばかばかしい発想のかたまりを、こねてまとめて引き延ばし、畳んではまた引き延ばす。そうして細く無限に引き延ばされたかたまりは、手延べ素麺のようにつるつると読者の喉を通っていきます。バリントン・J・ベイリーの、どうかしてるとしか言いようのないアイデアと無茶な展開は好きだなあ。

考えたら制服は端的に所属をあらわすし、こう見られたいというセルフイメージを衣服で表現したりしますよね。そこを拡大して作られたカエアン世界のフィールドワークってだけでもわくわくしました。

キャラではイカサマ師のリアルト・マストがお気に入り。カリスマ性のある美男です。導入部で彼は緑色のビロードのチョッキを着て、アール・ヌーヴォーの長椅子に優雅に寝そべっています。
このセンスに対抗できるのは、ブランデーグラスと葉巻を両手に持ち、ガウンを羽織り、足を組んでソファに腰掛ける石原裕次郎しか居るまい、と思った次第です。
タグ:翻訳 SF
posted by nao at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 本_2008年 | 更新情報をチェックする
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