2011年11月03日

『美術の物語』を買いに

The Story of Art. Pocket Edition_20111103.jpgいい天気だったので自転車で出かけてきました。
まずは書店へ。購入したのはE.H.ゴンブリッチ『美術の物語』。先日発売になったばかりのポケット版です。西洋美術史の入門書として大きい本は手が出ませんが、これだと気軽に読めそうです。
ちなみにポケット版は後半にカラー図版がまとめてあります。


ityou1_20111103.jpg

お買い物も済んだので、あとはのんびりサイクリング。
北大のイチョウ並木が黄葉してきれいです。落ち葉がはらりと舞って今が見ごろ。文化の日で祝日のせいか人も多かったです。

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もうすぐ冬がきます。


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美術の物語
エルンスト・H. ゴンブリッチ E.H. Gombrich
ファイドン 2011-11

by G-Tools , 2011/11/03



photo
美術の物語
E.H.ゴンブリッチ 田中 正之
ファイドン 2007-01

by G-Tools , 2011/11/03


タグ:芸術 翻訳
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2011年01月11日

文庫本の背表紙

本棚を整理していて「おや?」と気づきました。
だいたい作家別に並べていて、文庫本の背表紙が出版社を越えて同じ色になっているものがあります。

bunko_se.JPG


堀江敏幸の文庫で、向かって右から新潮文庫、中公文庫、講談社文庫、角川文庫です。
新潮文庫『いつか王子駅で』が白になっている以外は一緒。写真では白っぽく見えますが、角川文庫の『もののはずみ』も薄いグレーです。
偶然ではあるまい、と思ったらやはり。
本よみうり堂の記事に、

自著の文庫版は、違う出版社でも背表紙の色をグレーに統一するという念の入れようだ。

とありました。

並べたときに調和しますね。
posted by nao at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 本_2011年 | 更新情報をチェックする

2011年01月02日

明けましておめでとうございます

振り返ってみれば昨年は読了本がいつもより少なかったです。
メモを見るとロシア文学に興味を惹かれていたもよう。
ドストやブルガーコフ、トルストイの未読作品はもちろん、他にも読みたい名作、翻訳物がたくさんあります。今年一年、亀のような読書速度でどれぐらい読めるでしょうか。


悲しき熱帯〈1〉 (中公クラシックス)悲しき熱帯〈2〉 (中公クラシックス)
今はレヴィ=ストロース『悲しき熱帯』を読書中。
レヴィ=ストロースの記憶と思索の小径をたどっていると、身体から魂が抜け出て本の中に入ってしまいそうです。
正月から寝言ポエムですみません。


本は少なかったけれど、ドラマは観てました。『龍馬伝』と『坂の上の雲』と『蒼穹の昴』って、NHKばかりですね。
今年の大河ドラマはどうかな。女性が主役はいいけど、女性視点だから平和主義とかいうのはやめてほしいなー。
もう一つ『テンペスト』もドラマになります。池上永一の原作『テンペスト』そのままに作らないと思いますがどうなんでしょう。ヒロインの情緒的な部分ばかり強調されそうですが、薩摩と清に挟まれた琉球王朝の話は面白いので一応観る予定です。
タグ:ドラマ
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2010年11月07日

『歪み真珠』山尾悠子 ほか


歪み真珠

歪み真珠

  • 作者: 山尾 悠子
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2010/02/25
  • メディア: 単行本




山尾悠子を読むのはこれで二冊目です。
以前に読んだ『ラピスラズリ』は小説世界を把握するのに時間がかかったけれど、最後におおっ! という情景にたどりつきます。
『歪み真珠は』15の掌篇を集めたもので、その中の「ドロテアの首と銀の皿」は『ラピスラズリ』の冬眠者に連なる話でした。
山尾悠子の作品は、言葉で組み上げた人工の美の世界だなあと思えます。強く吹きつける風や流れ去る雲、刻々と変化する野の景色も絵画の中に存在するようです。もちろん色彩や動きが感じられるわけですが、同時に静けさもあるのです。
会話が途切れた一瞬の静寂を「天使が通った」なんて言いますね。その感覚に近いです。
ときどき滲み出るユーモアはいいなあ。男前の聖アントワーヌがどんな誘惑を? とまわりが妄想を逞しゅうする気持ちはわからないでもないです。


ほかにはヴィクトル・ペレーヴィンの『宇宙飛行士オモン・ラー』がよかったので、未読だった『眠れ』と『虫の生活』も勢いで読みました。

宇宙飛行士オモン・ラー (群像社ライブラリー)眠れ―作品集「青い火影」〈1〉 (群像社ライブラリー)虫の生活 (群像社ライブラリー)

『オモン・ラー』は、憧れていた宇宙飛行士になったオモンは月への飛行を命じられ、月面走行車に配属されるが…と言う話。ソ連という体制の不条理が背景にあるけれど、ばかげたことは別にソ連に限ったことではないし、そういう中での少年の成長小説として面白かったです。

『眠れ』は人間以外の存在の視点で日常を異化したような話が印象に残ります。世捨て男と六本指の二人に微かに萌えます。

『虫の生活』は、読んでいると人と虫の姿が頭の中でちらちら交代してしまうような妙な話です。変わった小説が好きな方におすすめ。

あと、ペレーヴィンの日本語未翻訳の小説『t』のtはトルストイのことらしいと知って興味津々です。はやく翻訳されないかなー。
タグ:短編 幻想 翻訳
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2010年08月18日

『ローマ亡き後の地中海世界』塩野七生

パクス・ロマーナの時代が終わると、北アフリカは徐々にイスラム化され、ヨーロッパの沿岸地域はイスラム教徒による海賊に襲われるようになります。破壊と掠奪が行われ、拉致された人々は奴隷にされます。

7〜18世紀ごろまでこの状態が続いていたことに驚きます。やれ十字軍だルネサンスだと騒いでいたころも、ヨーロッパの名もない人々が鎖に繋がれて海賊船の漕ぎ手をさせられたり、奴隷として北アフリカに送られていたのですね。

キリスト教のヨーロッパ諸国はイスラムに脅威を感じていながらも、ヨーロッパでの内向きの勢力争いに忙しく、積極的に海賊排除に動かなかったように思えます。地位もお金もない人が連れ去られても事件にならないでしょうし。
ただ、アラブvsヨーロッパ、イスラム教徒vsキリスト教徒のような、大きな括りの攻防の影に、軍事力によらない奴隷救出活動を続けていた団体もあったそうな。

千年あまりの時間と広い地中海世界を描くので、概略になってしまうのは仕方ないかな。
前述の救出団体の話やマルタ島の攻防、スルタン・ムラード三世の生母になるヴェネツィア貴族の娘チェチリアなどの人の物語になると面白いです。

執筆にあたって著者は「地中海の真中から前後左右を見ている感じ」と述べています。でも塩野七生はローマ世界やコスモポリタン的な考えに価値を置いている人だと思うので、そのへんは頭に入れて読む必要はあります。


ローマ亡き後の地中海世界 下

ローマ亡き後の地中海世界 下

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 単行本




ローマ亡き後の地中海世界(上)

ローマ亡き後の地中海世界(上)

  • 作者: 塩野七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/12/20
  • メディア: 単行本




タグ:時代・歴史
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2010年06月20日

『オルメードの騎士』ロペ・デ・ベガ


オルメードの騎士 (岩波文庫)

オルメードの騎士 (岩波文庫)

  • 作者: ロペ・デ ベガ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 文庫



スペインの劇詩人ロペ・デ・ベガ(1562〜1635)による戯曲です。

オルメードの騎士ドン・アロンソは、メディーナの町で美しい娘ドニャ・イネースを見初め、魔女ファビアに恋の取り持ちを頼みます。二人の気持ちは通じあいますが、イネースに恋する騎士ドン・ロドリーゴはアロンソに嫉妬し殺意を抱くのでありました。

ロペ・デ・ベガはシェイクスピア(1564〜1616)と同時代に生きた人なんですね。スペインとイギリスで国は違えど、様々な階級の人が集まって一つの舞台を楽しむ演劇が盛り上がっていた頃なのでしょうか。

『オルメードの騎士』は話の筋は単純ながら、恋の情熱やアロンソの従僕テーリョの道化ぶり、そして悲劇の予感に、観客が喝采したりやきもきしたんだろうなあなんて思います。
ほぼ詩劇である原文のリズムを生かした翻訳で、読んでいるとリズムに乗ってくるのです。例えばアロンソがイネースを見初めた時のことを語る長い詩は、リボンで結い上げた巻き毛、胸元の襟にやった手首の白さ、フランス風の派手なスカートに重ねた地味な青緑のスカート、はきものの結びひも…と彼の視線の動きが感じられて、ニヤニヤしてしまいました。
タグ:戯曲 翻訳
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2010年06月12日

『渡りの足跡』梨木香歩


渡りの足跡

渡りの足跡

  • 作者: 梨木 香歩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 単行本



北海道は屈斜路湖の風景を上空から見下ろし、女満別空港に降り立つところからエッセイが始まります。
知床やカムチャツカなどの渡り鳥の飛来地を巡り、今いる場所を離れて彼方へと渡る鳥たち、そして人間たちに思いを馳せます。

私はこの本に図説はいらない派。確かに渡りのルートを示した図や鳥の写真があれば一発です。でもでも肝心なのは想像することではないかしら。知りたければ地図を開けよ。三月末の知床の冴え冴えとした空気に身を浸しながら、オオワシの視点になってみよ。なんて思います。
主な鳥についての註がちゃんとあって、大きさなどの簡単な説明の他、著者の目を通した鳥の印象が付け加えてあります。ユーモアのある記述から鳥を想像し、改めて自分で調べる楽しみもありますよ。

いろんな場所に足を運び、多くの人に会い、様々な書籍を読んで、人々の歴史に一歩一歩近づいて思いをめぐらす。そんな著者の姿勢を感じながら読みたい本です。
タグ:エッセイ
posted by nao at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 本_2010年 | 更新情報をチェックする